なんで私は博士課程に

Youは何しに博士課程に?

博士課程というのは普通の人があまり進まない道です.通常の理系の院生は修士卒で企業に就職し,社会人となります.就職せずに修士の研究をより発展させていこうとするのが博士課程ですね. ”普通じゃない”というのは紛れもない事実なんですよね.博士課程の人は他の人によくこう聞かれるでしょう,「なんでわざわざ就職せずに博士課程に行くの?」 これを読んでいる方も,筆者の博士課程に進んだ理由に興味を持ってくださる方がいるかもしれませんね.

そんなわけで今回は,「なぜ博士に進んだか?」を書いていきたいと思います.その理由には,筆者の性格が大きく反映してます.今回は少し感情的に喋ろうと思ってます.暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです.

情熱を注ぎたい

自分が出会った研究テーマを社会に出るまでにとことん突き詰めたい.研究者としての力を最大限身につけたい.こういった活動が自分を幸福を満たす.こんな熱い心から博士課程に進みました.

「それただの自己満足じゃね?」,そう思う人も多いですよね.とまあ自分でも,普通とは異なる道に進む理由が”情熱”っていうのは変だと思ってます(笑). 通常,人の幸福の基はお金だと考えます.お金が増えればいろんのことができますよね.「ものが買える」「旅行に行ける」「家族を作れる」「ゼルダの新作が買える」.これらは一般的な幸せですよね. 一方で,筆者は「お金」よりも「情熱を注ぐこと」が優先してしまうんですよね.没頭すること,真摯に取り組むこと,そうしてる時が一番楽しいと感じるのです.異常なんですかね(笑)

ただ,お金が必要がないといってるわけではありません.飯食いたいし,旅行も行きたい,漫画買いたいし,新曲聴きたい,ティアーズオブキングダムも欲しい.お金による幸福も求めています. しかし,異常な程に「情熱を注ぐこと」に執着する自分がいるんですよね.お金を稼ぐことよりも,「夢中になること」を求めてしまう.

筆者はもともと博士課程に行くことを決めてはいませんでした.博士課程に行くかどうか決めたのはM1の冬です.その時自分は,就職するか否かを悩んでました.でも少し考えたらわかりました. 今情熱を注いでる対象は薬剤耐性菌研究である,自分は没頭することに幸せを感じる.そんなことから,私は就職せずに博士課程に進みました.

この動機は異常なんですかね.

新薬の種を創出したい

前項で情熱を注ぎたいと述べましたが,「なんで情熱を注ぎたいの?」となりますよね.筆者が本研究に夢中になる理由は「新薬の創出に近い距離感で貢献できる」からです. 筆者はもともと「薬を開発したいな」と強い思いがあり,薬学に入学しました.研究室配属時には薬剤耐性菌をテーマとして選択しました.耐性菌問題は深刻で既存の抗菌薬が続々と使えなくなっており,新規抗菌薬の開発も停滞していることから,耐性菌の出現しない新しい感染症治療薬を創出するというのがテーマです.本研究に取り組むことは,「新薬を作り出すこと」に貢献している気になるのです.自分の発見した化合物が新薬の候補になるかもしれない.その点に強い魅力を感じています.故に,頑張りたいと思っているのです.

この思考回路を理解してくれる人,いるのかな?(笑)

異常に真っ直ぐな心を活かしたい

ここまで書いたものを見てきてどう思いましたか? 「なんか,視野狭いな」とか思われるのでしょうか.

筆者はよく「本当に真っ直ぐだね」と言われます.これは長所でもあり短所でもありますね. 長所は紛れもなく,エネルギーの大きさです.夢中になる,没頭する,情熱を注ぐ.能動的な活動を全力でやれる点が優れた点だと思うんです. 短所は,視野が狭くなること,俯瞰して見られなくなることです.自分ではいいと思ったことが,客観的に見たら全然良くない,って経験が時折ある. この特性は自分が一番わかっています.そして,この性格を変えられない,制御できない.

だったら,もうこの特性を活かすしかないと考えました.これが活かせる場所ってなんだ?と思った時に,今取り組んでる研究だなって思ったんです. 単純ですよね(笑)

最後に

ここまで読んでくださった方,ありがとうございました. とにかく,筆者が異常に熱い奴ってことをわかって貰えば幸いです. 今回は少し文章が感情的すぎましたね(笑).反省してます.

正直,リアルの場で人に「なんで博士課程行ったの?」って質問されると,ちょっと困るんですよね. なんで感じるのでしょうかね.自分の博士課程に進んだ動機は直感的なもの.博士課程に進むことは世間的に普通じゃない.だから,博士課程に行きたいという直感はどうせ共感してもらえない. こう思うから嫌なのでしょうか.別に,共感されようとなかろうと自分のしたいことなんだから,勝手なんですけどね.なぜ,気にしてしまうのでしょうか.

まあ今日はもう夜遅いので,考えを巡らすのはこの辺にしておきます. 次の記事は学振DC2を書いた感想でも書こうと思ってます. ではまた!