若手コロッセウムというものを終えて

 若コロに行ってきた!

自分の専門分野の学会では,20~30代の若手が集まり発表し合う「若手コロッセウム」という会がある. このいわゆる若コロに行ってきた.非常にいい時間を過ごせたなと思う. 何が良かったか,今回はそれを書いていこうと思う.

 互いを高め合う雰囲気

研究内容をディスカッションする中で,互いの研究を面白くするアイデアを出し合う雰囲気に魅力を感じた. 普段自分は研究発表を批判的な目線で見ることが多い.同時に,批判的な目で見られることを意識している. ネガティブな方法かもしれないが,これはこれで大事なこと.だけれでも気持ち的にあまりいいものではない. それを踏まえると,他人の研究がよくなるためにどのようにするのが良いか頭をひねることは非常に楽しかった. なんで楽しかったか.自分の出したアイデアが研究の発展につながると嬉しくなるんだろうと思う.

また,他人が自分の研究について考えてくれることも嬉しかった.おそらく理由は,承認欲求が満たされるためだと思う. 自分の研究について考えてくれることは,少なくとも興味を抱いている証じゃないかと.興味を抱いてもらえることが,自身の承認欲求の充足につながると思う.

このような互いを高め合う雰囲気がよかった.

 国立研究所や大学教員の方々との交流

普段関われない国立研究所や遠方大学の教員とお話しする貴重な機会を得られた. 特に,自分の発表を褒めてもらえたことが良かった.いつもの自分は指導教員からアドバイス(ダメ出し?)をもらうばかりで,あまり褒められる機会がなかった. 初めてあった研究者の方々に,お世辞かどうかは別として,「面白かったよ」「わかりやすかったよ」「声の抑揚の付け方が上手い!」などとべったべたに言ってもらえた. 本当に本当に嬉しかった.自分の頑張りが少し認められた気分になれた.

褒められたことも良かったが,単純にコネクションを作れたことが良かった.研究に興味を持ってもらった先生や話をした先生とは連絡先を交換した.今現在に,研究に関して連絡しあっている方がいる.これは共同研究につながるのではないかと考えている.もし,共同研究ができれば,主体的に外部とコラボレーションする機会が得られる.この機会は学生の自分にとって有益だ.是非頑張りたい. ちなみに,今回名刺を作ったのだが,名刺が連絡交換のきっかけになった.次の学会でも名刺をバンバン配ろうと思った.

 臨床現場の知識

自分の研究は医療系分野だが,中でも薬学に分類されるものだ.要は薬の効き方に興味を持っている. しかし,研究の発展には既存の薬の立場を理解することが大事だ.臨床における既存薬の利点・不足点の理解が良い薬を作り出す上で必要だ.

私は臨床の立場の方と話す機会は中々なく,臨床をわかっていない部分が多かった.だが今回は,臨床技師の方とも話す機会が多かった. 既存薬の改善点を知ることができ,どのような薬を作っていくべきか,現場的な視点で考えられるようになれると思う.

 飲み会

真面目なものが続いたので,最後は飲み会に関することを話そうと思う. 結論から言うと楽しかった.なんだか,みんな学生みたいな雰囲気だった.

年齢層は博士課程以上がほとんどのはず.なのに若々しい雰囲気だ.この雰囲気はすごい好きだった. 先生から学生まで分け隔てなく喋れた.学会中には話せなかった先生も,飲み会だとすごい話しやすくなって嬉しかった.

飲み会での交流も,アドバイス交換やコネクション形成に繋がったと思う.ともあれ参加して良かった.

 最後に

有益な時間を過ごした.一つ心残りは,優秀発表賞を貰えなかったことだ.それがすごい悔しかったなと思う. 何が足りなかっただろうと考えた.おそらく質疑応答にあると思う.回答に手間取ってしまい,誤ってスライドショーを終了してしまったことが,聴衆によくない印象を与えたと考えられる.手間取った原因は準備不足だ.質問の予測が甘かった.指導教員からアドバイスをもらったが,私は普段から結果を表層的に見てしまっており,深い考察ができていないと言われた.考察の不足が不意にくる質問に対応できない,その場で答えを考え出す力が足りてないとのことだった. きびしい〜,けどその通りだと思った.これを改善することがプレゼン力向上の一歩だと考え,頑張ろうと決意した.

来年の若コロまでに,さらにレベルアップして良いプレゼンをしてやろうと思っている.

アイデアを枯らすな

 落ち込んでしまう!!

今,研究が行き詰まっているところだ. 先月,良さげな仮説を思いついたのだが,実験していく中でどうやら違うということがわかってきた.

残念だし,悲しい.正直落ち込んでいる. だけど時間は有限だし,落ち込んでいるのはタイムロスだと思う. そう,タイムロスなのはわかりきっている.だけど,落ち込んでしまう. 合理的に動いてくれない感情に足を引っ張られてしまう.自己嫌悪の波に飲まれそうになる.

だけど,落ち込んでも進まないものは進まない.うまくいかなかったことを悔やむことも,悔やんでる自分を嫌うことも無しにして,次やることを考えようと思った.

 何すれば?

ともあれ,アイデアを出さないといけない.アイデア出さないと,と考えすぎると考えつかない.なんでなのだろうか. 知識が足りないのか,それともアイデアを出す力が身についていないのか.おそらく後者なのだろうと思う.わからない事柄を既存にない方法で解いた経験がない.

とにかくアイデアを出す練習をしていこう.なんでもいい.クソみたいな案でもいい.とにかく自分から0→1の方法を立案する練習をしよう.

まだまだ,諦めない.博士課程は始まったばかり.絶対いい成果を出してやろうと思う.

一歩前進 これが本当に嬉しい

心の底から嬉しいこと

自分の仮説が指導教官に通った. 研究室に配属されて以来3年,初めての出来事だ.

これまで,実験計画を教官に提案しても,ことごとく論破されて却下されていた. その都度,先生の提案をもらってそれに従っていた.これが修士までの自分だ.

だが,博士課程にもなると,先生の言いなりでは成長できない. 自分の意見を通す,先生を納得させ,面白いと思わせる仮説を提示することが,第一の目標だった.

しかしながら,この二ヶ月間はうまくいかなかった,頭を捻って捻って捻って捻って捻りつくしてようやく出した仮説も,何度も何度も教官に却下されていた. 当たって砕けてを繰り返して,自分はセンスがないんじゃないか,頭がたりないんじゃないかと,マイナスに向かってしまう一方だった. だけども,ここでやめたら負けだと思って,粘り強く論文を読んで,自分の研究の糸口を探し,ようやく「これだ」と思えるものを見つけた. それを今日,先生に見せたら,「やっと出してきたね」と褒めてもらえた(まあ,上から目線で言われて少し腹は立ったけど).

これが悔しいのだけど,ほんとに嬉しい... まだ実験に移行していないのに. ようやく,自立した研究者のスタート地点に立てたのかなって思う. ほんとに,嬉しい...

こっから頑張ろう.先生に認めてもらえた仮説を意地でも立証して,見せつけてやろう. それではまた.

なんで私は博士課程に

Youは何しに博士課程に?

博士課程というのは普通の人があまり進まない道です.通常の理系の院生は修士卒で企業に就職し,社会人となります.就職せずに修士の研究をより発展させていこうとするのが博士課程ですね. ”普通じゃない”というのは紛れもない事実なんですよね.博士課程の人は他の人によくこう聞かれるでしょう,「なんでわざわざ就職せずに博士課程に行くの?」 これを読んでいる方も,筆者の博士課程に進んだ理由に興味を持ってくださる方がいるかもしれませんね.

そんなわけで今回は,「なぜ博士に進んだか?」を書いていきたいと思います.その理由には,筆者の性格が大きく反映してます.今回は少し感情的に喋ろうと思ってます.暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです.

情熱を注ぎたい

自分が出会った研究テーマを社会に出るまでにとことん突き詰めたい.研究者としての力を最大限身につけたい.こういった活動が自分を幸福を満たす.こんな熱い心から博士課程に進みました.

「それただの自己満足じゃね?」,そう思う人も多いですよね.とまあ自分でも,普通とは異なる道に進む理由が”情熱”っていうのは変だと思ってます(笑). 通常,人の幸福の基はお金だと考えます.お金が増えればいろんのことができますよね.「ものが買える」「旅行に行ける」「家族を作れる」「ゼルダの新作が買える」.これらは一般的な幸せですよね. 一方で,筆者は「お金」よりも「情熱を注ぐこと」が優先してしまうんですよね.没頭すること,真摯に取り組むこと,そうしてる時が一番楽しいと感じるのです.異常なんですかね(笑)

ただ,お金が必要がないといってるわけではありません.飯食いたいし,旅行も行きたい,漫画買いたいし,新曲聴きたい,ティアーズオブキングダムも欲しい.お金による幸福も求めています. しかし,異常な程に「情熱を注ぐこと」に執着する自分がいるんですよね.お金を稼ぐことよりも,「夢中になること」を求めてしまう.

筆者はもともと博士課程に行くことを決めてはいませんでした.博士課程に行くかどうか決めたのはM1の冬です.その時自分は,就職するか否かを悩んでました.でも少し考えたらわかりました. 今情熱を注いでる対象は薬剤耐性菌研究である,自分は没頭することに幸せを感じる.そんなことから,私は就職せずに博士課程に進みました.

この動機は異常なんですかね.

新薬の種を創出したい

前項で情熱を注ぎたいと述べましたが,「なんで情熱を注ぎたいの?」となりますよね.筆者が本研究に夢中になる理由は「新薬の創出に近い距離感で貢献できる」からです. 筆者はもともと「薬を開発したいな」と強い思いがあり,薬学に入学しました.研究室配属時には薬剤耐性菌をテーマとして選択しました.耐性菌問題は深刻で既存の抗菌薬が続々と使えなくなっており,新規抗菌薬の開発も停滞していることから,耐性菌の出現しない新しい感染症治療薬を創出するというのがテーマです.本研究に取り組むことは,「新薬を作り出すこと」に貢献している気になるのです.自分の発見した化合物が新薬の候補になるかもしれない.その点に強い魅力を感じています.故に,頑張りたいと思っているのです.

この思考回路を理解してくれる人,いるのかな?(笑)

異常に真っ直ぐな心を活かしたい

ここまで書いたものを見てきてどう思いましたか? 「なんか,視野狭いな」とか思われるのでしょうか.

筆者はよく「本当に真っ直ぐだね」と言われます.これは長所でもあり短所でもありますね. 長所は紛れもなく,エネルギーの大きさです.夢中になる,没頭する,情熱を注ぐ.能動的な活動を全力でやれる点が優れた点だと思うんです. 短所は,視野が狭くなること,俯瞰して見られなくなることです.自分ではいいと思ったことが,客観的に見たら全然良くない,って経験が時折ある. この特性は自分が一番わかっています.そして,この性格を変えられない,制御できない.

だったら,もうこの特性を活かすしかないと考えました.これが活かせる場所ってなんだ?と思った時に,今取り組んでる研究だなって思ったんです. 単純ですよね(笑)

最後に

ここまで読んでくださった方,ありがとうございました. とにかく,筆者が異常に熱い奴ってことをわかって貰えば幸いです. 今回は少し文章が感情的すぎましたね(笑).反省してます.

正直,リアルの場で人に「なんで博士課程行ったの?」って質問されると,ちょっと困るんですよね. なんで感じるのでしょうかね.自分の博士課程に進んだ動機は直感的なもの.博士課程に進むことは世間的に普通じゃない.だから,博士課程に行きたいという直感はどうせ共感してもらえない. こう思うから嫌なのでしょうか.別に,共感されようとなかろうと自分のしたいことなんだから,勝手なんですけどね.なぜ,気にしてしまうのでしょうか.

まあ今日はもう夜遅いので,考えを巡らすのはこの辺にしておきます. 次の記事は学振DC2を書いた感想でも書こうと思ってます. ではまた!

こんなことを書いていこうか

自分の紹介

zikosyoukai

初めまして.私は現在大学院に通っている博士課程1年(D1)のものです. 専門分野は薬剤耐性細菌です.世界には薬の効かない細菌が増加していて,2050年には耐性菌による死者率が5000万人に至ると推測されている,WHOも警告を出している社会問題です.その解決のために,耐性菌がなぜ薬が効かないのか,耐性菌が出ないためにはどうすればいいか,こんな観点で研究をしています.私が注目しているのはクレブシエラ属という細菌でして・・・・

とまあ,こんな感じに研究頑張ってるものです.生活ほとんどは研究ですが,趣味もあります.大学時代部活でやっていたテニスとか,漫画・カラオケですね.後,食べ物を作ることが好きで,料理もそうなんですが,発酵食品を作ることが昔から好きです.パンやヨーグルト,糠床作りをやってます.細菌に興味を持った所以はこの趣味からなのかと思いますね.

何を記事に書いていくのか

nanigashitai

さて今回は,初めての記事です.本記事では,今後どんな記事を投稿していくか,ということを書こうと思います. まあ,以下のようなことを投稿していく予定です.

  1. 研究活動にて嬉しかったことや辛かったこと
  2. 日々の日記
  3. 研究に対する熱語り

1. 研究活動にて嬉しかったことや辛かったこと

特に書こうと思います.それは,博士課程時に得た貴重な経験を忘れないようにして,未来の自分に繋げるためです. ただ,ほとんど辛いことを書くことが多いと予想されます(笑).恥ずかしい,惨め,悔しい.そんなことばっか書くもしれないです. でも,それが自分の原動力となるのです.「絶対研究者として立派になってやるぞ」という気持ちになれるのです. どこかで,自分の話を読んでくれる人がいると信じて,書いていきたいと思います.

kuyashi

2. 日々の日記,3. 研究に対する熱語り

たまに書こうと思います.2に関しては,上述した趣味に関することや,研究室であった面白かったこと変だなって思ったことを書きます.3については,酔っ払った時とか,なんかテンション上がっている時の吐き出し口として使う話題になります(笑)

rufi

終わりに

以上の感じのこと書いていきますね. 頻度は週に1・2回かな.好きな時に好きな分だけ書こうと思います.

ではまた!